電磁スペクトルの基礎

可視光やX線、電波などの異なる電磁波は、「周波数」と「波長」の2つのパラメーターによって分類され、電磁波の連続的な連なりは「電磁スペクトル」と呼ばれる。

  • 電磁スペクトル Electromagnetic spectrum: 電磁波の連続的な連なり
  • 周波数 frequency f: 1秒間あたりのサイクル(変動)
  • 波長 wavelength λ: 隣り合った波の山から山までの距離

周波数fと波長λは c=λ×f で関係づけられますが、電磁波の速度cは一定であることから、電磁波の周波数fと波長λは片方が決まれば、もう片方も一意に決定される。そこで、特定の電磁波は、波長(nmまたはμm)であらわされることが多い。

電磁スペクトルは、波長の非常に短いガンマ線から電波域(マイクロ波・ラジオ波)までの領域があり、人の眼が反応する可視域(VIS)は非常に狭い範囲である。なお、植物における光合成有効放射域(PAR)は可視域とほぼ一致する。また、光学的という用語はUV-MIR域を、熱的という用語はTIR域を指して用いる。

リモートセンシングにおいてそれぞれの領域には異なる役割があり、異なる検出器にて測定される。なお、植物に関するリモートセンシングで用いられる電磁波はおよそ300nm(UV)~15μm(TIR)の間である。

電磁波名略称など波長帯
ガンマ線γ線
エックス線X線1pm-10nm
紫外線UV10-400nm
可視光VIS400~700nm
近赤外線NIR700nm~1μm
中間赤外線MIR1~4μm
熱赤外線TIR4~15μm
遠赤外線FIR15~100μm
マイクロ波Microwave
ラジオ波RF
主な電磁波の波長帯